皮膚筋炎と多発性筋炎

Dermatomyositis/Polymyositis

皮膚筋炎と多発性筋炎(Dermatomyositis/Polymyositis)とは

皮膚筋炎と多発性筋炎は、筋肉の炎症によって筋力低下を引き起こす自己免疫疾患です。皮膚筋炎ではこれに加えて特有の皮膚症状が見られます。これらは「炎症性筋疾患」に分類され、中年から高齢の女性に多く発症します。

特徴的な症状

これらの疾患に共通する主な症状は以下の通りです:

  • 筋力低下: 主に肩や骨盤周辺の筋肉に影響を及ぼし、階段を上る、物を持ち上げるといった動作が困難になります。
  • 筋肉痛: 炎症による痛み。
  • 全身症状: 倦怠感、発熱、体重減少。

皮膚筋炎特有の症状:

  • ゴットロン徴候: 指関節や肘、膝に現れる紫紅色の発疹。
  • ヘリオトロープ疹: まぶたに現れる紫色の浮腫性発疹。

原因と病態

これらの疾患は自己免疫反応により、筋肉や皮膚に炎症が起こることで発症します。免疫系が筋線維や血管を攻撃し、組織の破壊と線維化を引き起こします。原因として、ウイルス感染や遺伝的要因が関連していると考えられています。

診断方法

診断には以下の検査が用いられます:

  • 血液検査: クレアチンキナーゼ(CK)の上昇、抗Jo-1抗体の陽性。
  • 筋電図検査: 筋肉の異常な電気活動を確認します。
  • 画像検査: MRIで筋肉の炎症や異常を確認。
  • 筋生検: 筋組織の炎症や異常を確認します。

治療方法

治療の目標は炎症の抑制と筋力の回復です:

  • ステロイド療法: 高用量のプレドニゾロンで炎症を制御します。
  • 免疫抑制薬: アザチオプリンやメトトレキサートが補助的に使用されます。
  • リハビリテーション: 筋力回復のための運動療法。
  • 抗マラリア薬: 皮膚筋炎の皮膚症状に有効な場合があります。

疫学と予後

皮膚筋炎と多発性筋炎は稀な疾患で、人口10万人あたり約1~10人が発症します。特に中高年の女性に多く見られます。早期診断と治療により筋力の回復が期待できますが、重症例では合併症(間質性肺炎など)が予後を左右する場合があります。