排泄症

Elimination Disorders

排泄症 (Elimination Disorders)とは

排泄症(Elimination Disorders)は、尿や便の排泄に関連する制御の困難を特徴とする一群の疾患です。これらの障害は、身体的な異常がないにもかかわらず、排泄行動に問題が見られる状態を指します。通常、発達過程における排泄の学習が遅れる、または障害されることで起こります。

排泄症は、一般的に子どもに多く見られますが、適切な治療を受けることで多くの場合改善が期待できます。

主な種類と特徴

  1. 夜尿症(Enuresis)
    • 尿意を感じずに、意図せず寝ている間に排尿してしまう状態。
    • 5歳以上で3か月以上、週に2回以上発生することが診断基準となります。
    • 主に夜間に起こることが多いですが、昼間に排尿が漏れる場合も含まれます。
    • 原因として、膀胱の未熟性、遺伝的要因、ストレスや不安などが挙げられます。
  2. 遺糞症(Encopresis)
    • 意図的または意図せず、衣服や適切でない場所で便を排泄してしまう状態。
    • 4歳以上で少なくとも3か月間持続している場合に診断されます。
    • 便秘や排便の痛みを避ける行動が原因で慢性的な便秘や便の漏れにつながるケースが多いです。
    • 心理的ストレスや家庭環境の変化も原因として関与することがあります。

発症の原因

  • 身体的要因:
    • 膀胱の未成熟
    • 腸管の運動機能の異常
    • ホルモン分泌の不均衡(抗利尿ホルモンの分泌不足)
  • 心理的要因:
    • 家庭環境の変化(引っ越し、両親の離婚など)
    • 学校や家庭でのストレス
    • トイレトレーニングの失敗や過剰なプレッシャー
  • 遺伝的要因:
    • 夜尿症の場合、親や兄弟に同様の症状が見られることが多い。

治療方法

  1. 行動療法
    • 夜尿症には、アラーム療法(排尿時にアラームが鳴る仕組み)を用いることで、排尿のタイミングを認識させる方法があります。
    • トイレトレーニング:決まった時間にトイレに行く習慣をつける。
    • ポジティブリインフォースメント:成功した場合に褒めるなど、肯定的な強化を行う。
  2. 心理療法
    • ストレスや不安を軽減するためのカウンセリングやプレイセラピー。
    • 家族療法:家庭環境の改善や、親子関係の見直しを行う。
  3. 薬物療法
    • 夜尿症に対して、抗利尿ホルモン製剤(デスモプレシン)を使用する場合があります。
    • 遺糞症に対して、便秘が原因の場合は緩下剤や浣腸を用います。
  4. 栄養指導
    • 便秘が原因の場合、食物繊維を多く含む食事や適度な水分摂取を勧めます。

日常生活での工夫とサポート

  • 親の理解とサポート: 親が怒らず、子どもの努力を認めて安心感を与えることが重要です。
  • ストレス管理: 子どもがリラックスできる環境を整える。
  • トイレの習慣づけ: トイレを快適な場所にし、プレッシャーを与えないようにします。

まとめ

排泄症は、身体的・心理的な要因が絡み合う疾患ですが、適切な治療とサポートによって改善が可能です。
子どもの排泄の問題が続いている場合、無理をせず早めに専門医や小児科医に相談してください。周囲の理解と適切なケアが、子どもの成長と自信回復につながります。

Supervising

監修医師

精神科医 樺沢 紫苑

Medi Face監修医師 YouTubeで精神医学を解説

札幌医科大学医学部卒。2004年より米国シカゴのイリノイ大学精神科に3年間留学し、うつ病、自殺についての研究に従事。「精神医学の知識、情報の普及によるメンタル疾患の予防」をビジョンとし、YouTube・メルマガなど累計100万人に情報発信をしている。著書「学びを結果に変えるアウトプット大全」をはじめに51冊、累計発行部数260万部。

President Doctor

代表医師

近澤 徹

Medi Face代表医師、精神科医、産業医

北海道大学医学部を卒業後、慶應義塾大学病院で研修を経て、名古屋市立大学病院の客員研究員として臨床と研究に従事。医師であり経営者として、医療とテクノロジーを融合させた次世代ヘルスケアを推進中。在学中に創業したMedi Face社では、オンライン診療システム「Mente」を開発し、全国の患者への診療サービスを提供。また、100社以上の企業にAIドクターを導入し、自身も産業医として社員のメンタルケアを日々支援している。とくに、「Z世代」のメンタルケアや人的資本をテーマにしたセミナーや企業講演を多数行い、多くの企業や若者から高い支持を得ている。さらに、東京を中心に、北海道から九州、海外では韓国にまでクリニックを展開し、医療サービスの提供エリアをオンライン・オフライン共に拡大中である。